「うっとりするもので575」は、どうして低調だったのか?をぐるぐる考えていて。
それで、俳句に関する本をいろいろ読んだり。
昨日は、
「発想力トレーニング講座」で、俳句について授業をやって、句会もやってみたりしました。
句会ってのは、知らない人は、驚くかもしれないぐらいに、とてもゲームっぽいシステム。
こんなふうに進行します(講座でやった流れで説明しますね)。
【1】出題
テーマが出されます。「夏」とかね。前にやった「銀一」と似ています。まず「懐かしいもので“い”」とか出題されるわけです。
【2】投句
各自が句を書きます。短冊と呼ばれる細長い紙に書きます。えーと、A4の紙を6つぐらいの長細い紙に切って短冊にします。各自は、短冊に、テーマにそった句を書き込みます。自分の名前は書きません。無記名です。誰が書いた句か分からないようにするのがポイントです。
【3】清書
短冊を集めて、全員が読めるように1枚の紙に清書します。清書した紙を、人数分コピーして、配ります。これで、全員が、全部の句が読めるようになります。
【4】選句
句を選びます。一番好きなものを「特選」、次に好きなものを「並選」、えええーなんだよーこれーを「逆選」として選出。特選◎、並選○、逆選▲のマークをつけます。自分の句は、いくら素晴らしいと思っても選びません。今回は、特選を1つ、並選を3つ、逆選を1つ選びました。
【5】披講
各自が、選んだ句を発表します。まず並選の3つを発表。次に特選、最後に逆選を発表。「米光一成選、並選は5番、少年を切り裂く空と海の線。8番、カキーンいつもカッちゃんが死んで終わり。32番、やめろって麦茶もうちわも武器じゃない。特選は、16番、クーラーが壊れるような恋をした。逆選は、25番、新島はすごかったってそれたぶん嘘」というふうに発表していきます。ここで、各自、自分の用紙に、誰が何を選んだか記入していきます。
全員の採点がわかったら、得点計算。特選は2点、並選1点として計算。逆選は得点としては計算しません。高得点のものから、順番に発表していきます。逆選は、逆選が一番たくさんついたものを「逆選王」として讃えます。
【6】合評
そして、みんなで、この句はどうだ、あの句はこうだ、とワイワイと合評します。ここが、こういうふうに素敵だった、これはイメージがつきすぎでしょう、こう読んだんだけど、いやいや、こういうことでしょう。自分の句についても、自分の句じゃないようにしれっと意見を言ったりします。「わたしは取らなかったんですけど、この句は………」とかね。
句について意見が出つくしたら、それが誰の句かを発表します。合評で、鑑賞し、推敲し、意見を交わし合います。
俳句は、座の文芸だと言われる。
つまり、その場で、みんなが声を出して、ワイワイとやることに、楽しみがある文芸だ。
だから、たとえば、国語の授業で、誰か知らない人が作った句を、ただ読んで、ただ解釈するだけでは、ちょっともったいない。
実際に自分で作って、みんなの句を読んで、みんなで鑑賞し、推敲し、意見を交わす。そういった面白さも、国語の授業で体験させてあげればいいのになーと思う。
ただ作るだけじゃなくて、ちゃんとしたゲームシステムの中で、鑑賞・推敲・交流を体験するというのは、とてもいいことだと思う。
いつもは、ぶっきらぼうなあの子が、すごくおセンチな句を作ったり、予想外の一面が見れたりして、とても面白い。
あいつは、いっつも、逆選狙いだねー、とか。
繰り返しやってると、しょっちゅう自分の句を選んでくれる人がいて、なんだか嬉しい。
そういった人と人との交流も生まれてくる。
ブログに書くということも、うまくいけば、それと同じように「座の文芸」になりえると思う。
みんなで読み、推敲し、意見を交わす場に。